男性型脱毛症(AGA)と研究の歴史
ここでは、男性型脱毛症 について見ていきます。
男性型脱毛症は、AGA(Androgentic Alopecia)とも呼ばれます。
男性型脱毛症は 、成長毛が休止期に入って脱毛する休止期脱毛です。
男性型脱毛症=AGAの名称もかなり知れ渡ってきましたが、
近年、このAGAのメカニズムが解明され、画期的な治療薬
フィナステリド(商品名:プロペシア)が登場したことがきっかけです。
プロペシアのCMが、頻繁に流されたことで病院を訪れる人が増え、
全国の皮膚科医も男性型脱毛症を治療する機会が多くなりました。
AGA 研究の歴史
さて、成人男性の前頭部や頭頂部の毛が 一定のパターンで薄くなるのが
特徴の男性型脱毛症(AGA)を最初に説明したのは、紀元前
400年頃、ギリシャの哲学者であり医師 であったヒポクラテスでした。
「宦官に痛風と禿げはない」と記したのです。
宦官とは、宮廷に仕えた男児の奴隷で、
宮廷に上がる前に、睾丸を取られた者を呼びます。
すなわち、睾丸がない男性は、禿げないということ、禿げる原因は、
睾丸にあるということに気がついていたのです。
次の時代になると、アリストテレスが、男性は睾丸があることが原因で、
禿げたり、性衝動が起こったり、体毛が生えることを示しました。
その後の研究は進まなかったらしく、AGAに関する記録はありません。
初めて生化学的に実証したのは、第2次世界大戦前の
およそ70年前で、アメリカの解剖学者J・B・ハミルトンです。
皮膚科医のハミルトンは、男性ホルモンの実験を行いました。
その内容は、思春期前後に去勢された人に男性ホルモンの
テストステロンを与えて発毛のパターンを観察しました。
思春期以前に去勢された人は、その後の発毛パターンが 一定します。
しかし、このうち家系に男性型脱毛症発症者がいる人は、
テストステロンを投与すると、脱毛が始まりました。
また、去勢された時点ですでに脱毛が始まっていた人の場合、去勢
したことで脱毛の進行が止まりますが、テストステロンを投与すると
再び毛が抜けることが分かったのです。
1960年代になると、男性型脱毛症にジヒドロテストステロン(DHT)が
関与していることが示され、このDHTはテストステロンから
5α−還元酵素(リダクターゼ)により変換されることが判明しました。
そして、1983年、米国のメルク社が、5α−還元酵素阻害薬である
フィナステリドの合成に成功しました。
まずは、良性前立腺肥大症治療薬として「プロスカー」を 発売し、
1998年に男性型脱毛症治療薬として「プロペシア 1mg錠」を
米国を手始めに世界に向けて発売しました。




